ボツリヌス菌がコオロギに付着説はデマ?毒素失活には加熱が効果的

コオロギ

最近、コオロギ食が話題になっています。徳島の学校では給食でコオロギは提供されて話題になりました。

ツイッターではコオロギにはボツリヌス菌が居るから危険。食べたくない。コオロギ食反対の声が多数散見されています。

既に無印良品では「コオロギせんべい」が発売されていますし、パンにコオロギパウダーを練り込んだ商品発売されています。

今回はボツリヌス菌がコオロギに付着しているのか?されていたとして、危険なのか?を調査して行きます!

ボツリヌス菌がコオロギに付着説はデマ?

野生のコオロギ

早速、ボツリヌス菌がコオロギに付着しているのかどうかを調査していきましょう!

ボツリヌス菌が分布している場所は海、湖、川などの泥や砂中です。

したがって、野生のコオロギはボツリヌス菌が付着しているといえば間違えなく付着はしているでしょう。

しかし、ボツリヌス菌が付着しているのはコオロギだけでしょうか?違うでしょう?どうしてコオロギだけにボツリヌス菌が付着していて、食べるのは危険だという思考になるのでしょう?

ボツリヌス菌の特徴

 

・嫌気性菌といって、生育に酸素を必要としない

・嫌気性菌には酸素存在下でも生育できる菌と、大気レベルの酸素で死滅する菌がある。ボツリヌス菌は、大気レベルの酸の暴露で死滅する。(→偏性嫌気性菌と言う) 腸内細菌学会

・ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生される。

・自然界の毒素の中では最強の毒力がある。

                               参考:食品衛生の窓

コオロギにボツリヌス菌が付着していても、大気レベルの酸素がある状態では死滅します。(ボツリヌス菌は偏性嫌気性だから)FALCOHD

というわけでボツリヌス食中毒は酸素のない状態になっている食品が原因となりやすいです。例えば瓶詰めや缶詰など。

ボツリヌス菌がコオロギに付着説はデマ?安全に食べるには?

ボツリヌス菌イメージ画像

ボツリヌス菌は自然界では珍しい菌では無いため、また分布場所も土壌なので取り除くのは難しいと言えるでしょう。

安全に食べるには食品からボツリヌス菌を増殖させないことがポイントになります。

ボツリヌス菌は、熱に強い芽胞を作ります。そのため120℃4分間以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。家庭で缶詰、真空パックを作る場合は、十分な洗浄と加熱殺菌の温度と時間に注意しないと危険です。

水を沸騰させても100℃以上にはなりません。家庭で瓶詰めを作るのは、かなりの危険があります。熱湯ではボツリヌス菌を死滅させることは出来ません。

食中毒症状の直接の原因であるボツリヌス毒素は、80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活します。そのため食べる前に十分に加熱すると効果的です。
この方法だと家庭でもボツリヌス食中毒は予防できそうです。

ボツリヌス菌がコオロギに付着説はデマ?なぜコオロギなのか?

早速、数ある食材のうち、なぜコオロギなのか?調べて行きましょう!

豊富な栄養素

ズバリ、コオロギが注目されている理由はその栄養素です。

コオロギの栄養素

・豊富なタンパク質(鶏肉のおよそ2倍)
→コオロギを乾燥させてパウダーに加工すれば、たんぱく質の割合はさらに上昇する。

・必須アミノ酸
→ヒトが体内で作れないアミノ酸が豊富に含まれている。

・オレイン酸とリノール酸の不飽和脂肪酸
→LDHを下げたり、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げる。

・豊富な食物繊維・ビタミン・ミネラル
→炭水化物の殆どが食物繊維
→糖質が非常に少ない。
→鉄・カルシウム・亜鉛が豊富に含まれている。
→ビタミンB1、B2、B12が豊富に含まれている。          参考:FUTURENAUT

2050年には世界でタンパク質が1億トンも不足すると推定されているそうです。栄養価が豊富なコオロギが注目されている理由です。

美味しさ

コオロギの味はエビっぽいそうです。(本当かな・・・。)
香ばしい風味や旨味があるそうなんです。

用途が幅広い

コオロギを粉末にすることで、お菓子やパンに加工しやすい。

飼育のし易さ

コオロギは牛や豚の飼育より「餌の量」「水の量」「温室効果ガスの放出」が圧倒的に少ない。

まとめ

今回はボツリヌス菌がコオロギに付着しているのかどうか?を調査しました。

ボツリヌス菌自体は、土壌に分布しているため付着している可能性が高い。しかし他の食材にも同じ様にボツリヌス菌は付着しているといえる。

コオロギに限ってボツリヌス菌が付着しているから食べるのは危険と言う考えは浅すぎる。

ボツリヌス菌は大気レベルの酸素が存在する場所では死滅する。したがってコオロギにボツリヌス菌が付着していたとしても加工されていく過程でボツリヌス菌は死滅していくことが想定される。

万が一、食べる直前までボツリヌス毒素に汚染されていたとしても、80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活するので、十分な加熱をすることでボツリヌス食中毒は予防できる。

事が分かりました。

#コオロギ食べない連合が話題ですが、ボツリヌス菌が理由で食べないを選択するとすればそれば間違っています。

しかし、見た目が見た目なだけにコオロギ食べない連合が発足するのも納得です。