【伊豆大島の伝説】ヒイミサマとは何?泉津に伝わる25人の若者の祟

祠

2023年3月1日に放送された「なんだこれミステリー」。そこで紹介された「ヒイミサマ」が話題になっています。

伊豆大島の泉津集落に伝わる風習でその日は、1月24日の夜は海を見てはいけない日なのだそう。伊豆大島は海と切っても切れない縁がある島。そこで海を見ては行けない日とは相当難しい1日になる事が予想されます。

何か深い意味がありそうですよね・・・。とても気になります。

今回は、伊豆大島の泉津に伝わる風習「ヒイミサマ」について詳しく調査しました!

【伊豆大島の伝説】ヒイミサマの祟とは何?

早速、ヒイミサマ(日忌様)について詳しく見ていきましょう!

昔、泉津(波治加麻神社のある集落)に暴政を行う代官がいて、村民の反感をかっていました。あまりのひどさに義憤に燃える若者25人が意を決して代官を打ち殺し、その夜のうちに波治加麻神社の大木を切り倒して丸木舟を作り、大島を逃れました。利島、新島を経て神津島にたどり着きましたが上陸を許されず、ついに、波間を漂い、行方知れずになってしまったといいます。

それから毎年1月24日の夜中にこの若者25人の霊が五色の旗を押し立てた丸木舟に乗って、泉津の沖にあらわれると言い伝えられ、村人は毎年1月24日の夜には儀式を整え、日忌祭を行い、若者25人の霊を祀る風習が伝えられています。

伊豆大島ナビ

まとめます

ヒイミサマ(日忌様)とは?

悪代官が村人を苦しめていていた。

→25人の若者が悪代官を打ち殺す。


→波治加麻神社の大木で船を作り島を逃れる。


→利島、新島を経て神津島に。


→上陸を拒否される。


→行方知らずになった。

→1月24日に25人の若者が戻って来ると言い伝えられている。
村のことを思って25人の若者が起こした事件だったのです。しかし他の島への上陸を拒否され結局は霊になってしまいます。悪代官を倒してしまったことは悪い事ですが、村を思うが故の行動・・・。25人の若者の気持ちを思うとなんとも苦しくなってしまいます。

【伊豆大島の伝説】ヒイミサマとはどんな風習?

ヒイミサマ(日忌様)の伝承はよく分かりました。次に泉津集落の方たちにはどんな風習があるのでしょうか?24日に泉津集落の方がやっている事をまとめました。

家の内外を掃除する

詳しい理由は分かりませんでしたが、家の内外を念入りに掃除するのだそうです。村のために命を落とした25人を迎えるためでしょうか。

アラスナと呼ばれる小石を玄関に置く

「アラスナ」と呼ばれる浜からとってきた小石を玄関の左右に置きます。

小石のイメージ

家の周りを海水で清める

1月24日に伊豆大島に戻ってくる25人の若者たちを清めるために、家の周りを海水で清めるそうです。

窓に新聞を貼る

ヒイミサマの言い伝えである通り、海が見えないように窓に新聞を貼るそうです。何となく海を見ないようにしようという軽い気持ちではなくてガチですね。

玄関に鎌や鉈を置く

25人の若者たちが入って来ないように玄関に鎌や鉈を置くんだそうです。節分にする柊イワシの風習に似ていますね。魔除けの効果を期待しているのかもしれないです。

家の節穴にトベラ・ノビルを挟む

詳しい事は分かりませんが家の隙間から霊が入るのを防ぐのでしょうか。

トベラ
トベラ
ノビル

22日についた25個の丸いお餅を用意する

25個ですから、25人にお供えするためのお餅でしょう。何事もなく無事に25日を迎える事ができると25個の餅で雑煮をつくり祝うそうです。

このようにして、泉津集落の方たちは、1月24日に備えて様々な用意をしている事が分かりました。

【伊豆大島の伝説】ヒイミサマとは何?海を見ると何が起きる?

ヒイミサマ(日忌様)では1月24日の夜は海を見てはいけないと言い伝えられていますが、海を見るとどうなってしまうのでしょうか?

身内に事故が起きたり怪我をしたり病気になったりする

やはり、命を落としてしまった25人の若者の無念な気持ちの祟なのかもしれません。

しかし、泉津集落の方たちは村のために命を落とした25人の若者たちを大切に守っていました。

悪代官をやってしまった事はたしかに悪い事。犯罪者です。ですが、村を思っての行為でした。その思いを泉津集落の方が汲み取ってくれて居ることに安心しました。

まとめ

今回は、「なんだこれミステリー」で放送されて話題になっていた「ヒイミサマ」が気になったので調査してみました。

昔悪代官をやっつけた25人の若者が罪を逃れて伊豆大島を脱出。しかし他の島でも拒否され海で行方知らずになった話でした。

1月24日にはその25人が伊豆大島に帰って来る日だとされていて、泉津集落の方たちには様々な風習が有ることが分かりました。

昔から語り継がれ、いまだに風習が残っている。そして、それを実践している方たちが居るという事は全くの嘘話ではなく、根拠がある伝説なのだと思います。

怖いような、でも守っていかなければいけない大事なお話だと感じました。